僕等のヒカリ〜ひまわりの小さなキセキ〜
あのとき、俺だけ先に帰らされたのはそういうことだったのか……
「最初はな、遥希を小学校を卒業と同時に辞めさせないでくださいってお願いされたんだよ。でも、約束があったから断ったんだ。そしたら、そのことを話されて。その話聞いて俺頭にきて、今後のこと考えさせてくれって怒って帰ったんだ。
次の日に、考えようとしたら遥希がそのことを知って芸能界を辞めたってわけだ。」
そうだったのか……
今だから聞けたけれど、あのときの俺だったらどうなっているか分からない……
やっぱり、家族って誰よりも俺のことを理解してくれている……
「そして、俺のことだ。遥希が見たもの、聞いたもの、全て事実だ。こんな父親ですまない……」
「いいよ、もう。それにお母さんがそんなお父さんを許してあげてって手紙に書いてあった。いつになるか分からないけれど、少しずつ許していくよ。」
「遥希、今まで黙っていて本当にすまなかった。」
立ち上がって頭を深々と下げている父親。
なんでだろう……
あんなに悲しくて苦しくて辛かったのに、今そんな感情がほとんどない……
「再スタートだが、これからいっしょに前を向いて、全てのことと向き合おう。」
「あぁ、もちろん。」
ーー6年の時を経て、今ようやく父親と和解した……