僕等のヒカリ〜ひまわりの小さなキセキ〜
講義が終わり、久しぶりにあの場所に向かった。
「さすがにほとんど枯れちゃったか……」
公園から見えるひまわり畑は半分以上咲いていなかった。
大学やバイトが忙しくてほとんど行けていなかったからな……
ベンチに座って、何も考えずにただただひまわりを見ていた。
「お兄ちゃん、ひまわり見ているの?」
「あぁ、そうだよ。」
「どうして、悲しい目をしているの?」
「どうしてかな?きっと、忘れられない人がいるからかな……」
奈緒は俺のヒカリだった
いつも俺にいろんなことを教えてくれた
今までは何もかも怖かった
でも、今は何も怖くない
奈緒が教えてくれたから……
でも、一つだけ怖くてたまらないものがあるんだ……
「お兄ちゃん、泣かないで……」
「泣いてないよ……」
奈緒、お前を失うことだよ……