僕等のヒカリ〜ひまわりの小さなキセキ〜
正式に所属し、レッスンとオーディションをやること半年。
「遥希、CM決まったぞ‼︎」
いつものように、レッスンしていると事務所の人が飛び込んできた。
「本当ですか⁉︎」
「あぁ、飲料メーカーのCMだ。」
事務所に入って、初めて合格したオーディションだった。
迎えに来た母親は、オーディションのことを聞いて自分のように喜んでくれた。
家に帰り、父親にも報告した。
実は、芸能界に入ることをあまりいいように思ってなかった父親。
だから、今回もあまりいいように思わないと思っていたけど、
「そっか、遥希、よく頑張ったな。」
少し嬉しそうに頭をクシャクシャに撫でてくれた。
オーディションに合格するよりも父親がこうやって、嬉しそうに頭を撫でてくれたことが何よりも嬉しかった。