僕等のヒカリ〜ひまわりの小さなキセキ〜
その後、がむしゃらに頑張り、少しずつ仕事も増えていった。
武蔵とは、友達でありながらもライバルであり、お互いいい刺激になった。
ただ芸能界に入り1年、子供番組のオーディションで俺は不合格、武蔵は合格しレギュラーが決定した。
本当に悔しくて悔しくて、生まれて初めて悔し涙というものを知った。
そして、どうでもよくなり、自暴自棄になった
そんな俺を支えてくれたのは……母親だった。
「お母さん、芸能界辞めたい。」
「ライバルに負けたくらいで芸能界辞めるって遥希の俳優に対する気持ちはその程度だったの?」
「でも……」
「くよくよしている暇があるなら、その悔しさをバネにしてレッスンやオーディション頑張りなさい。」
母親は誰よりも俺を応援してくれて、支えてくれた。
そんな当たり前なことを忘れかけていた自分がすごく情けなかった。