未来から来た花嫁 ~迷走する御曹司~
「はい?」

「そうじゃないんだ」

「違うんですか?」

「ああ。君にちょっと聞きたい事があるんで、中に入ってくれないかな?」

「あ、はい……」


俺は部屋の明かりを点け、メイドはおずおずという感じで部屋に入り、ドアを閉めた。


「立ち話もなんだから、そこに座ってくれないかな?」

「あ、はい」

「それはこっちに貰おうか。ネコのオシッコは付いてないから」

「でも、どうせですから新しいものと交換を……」

「いや、それはいい」


俺は半ば強引にメイドからシーツを受け取り、それをベッドの上に放り投げた。早くメイドから話を聞きたいからだ。


向かいのソファーに浅く腰掛けたメイドの顔を見て、俺はハタと考えた。

家にこんなメイド、いたっけかなと。
こんな若くて、可愛い子が……

< 10 / 177 >

この作品をシェア

pagetop