未来から来た花嫁 ~迷走する御曹司~
結婚という名の仕打
「ヒロミは僕が可愛がってるネコで、それを未来の奥さんが知らないのはおかしい。そう言ったら、未来から来たあなたは言ったんです。死ぬか、どこかへ行ったんだろうって」
「そうなるでしょ? 実際にそうなんじゃないの?」
「そうですね。半信半疑でしたが、間もなく本当にヒロミは消えてしまいました」
そう言うと、菊子さんは“そら見た事か”と言わんばかりにほくそ笑んだ。
「今度こそ信じるほかないと僕は思いました。定めなんだから、あなたと結婚するほかないと……
ところが、ヒロミは見つかったんです。なぜか、ここにいる小松がある場所にかくまっていました。おお、“噂をすれば影”ですね。ヒロミが来たので紹介しましょう」
ちょうど俺の足元にヒロミが歩いて来たので、俺は腰を屈めてヒロミを抱き上げた。そして顔を上げた時、
「なんで殺さなかったのよ!?」
いきなり菊子さんは大声で小松を怒鳴り、俯いていた小松はピクッと肩を揺らした。
「あーあ、自供しちゃった。菊子さん、ゲームオーバー」
一瞬の沈黙を破ったのは、そんな慶次の呑気な声だった。
「そうなるでしょ? 実際にそうなんじゃないの?」
「そうですね。半信半疑でしたが、間もなく本当にヒロミは消えてしまいました」
そう言うと、菊子さんは“そら見た事か”と言わんばかりにほくそ笑んだ。
「今度こそ信じるほかないと僕は思いました。定めなんだから、あなたと結婚するほかないと……
ところが、ヒロミは見つかったんです。なぜか、ここにいる小松がある場所にかくまっていました。おお、“噂をすれば影”ですね。ヒロミが来たので紹介しましょう」
ちょうど俺の足元にヒロミが歩いて来たので、俺は腰を屈めてヒロミを抱き上げた。そして顔を上げた時、
「なんで殺さなかったのよ!?」
いきなり菊子さんは大声で小松を怒鳴り、俯いていた小松はピクッと肩を揺らした。
「あーあ、自供しちゃった。菊子さん、ゲームオーバー」
一瞬の沈黙を破ったのは、そんな慶次の呑気な声だった。