未来から来た花嫁 ~迷走する御曹司~
「信之さん、それだけは勘弁してよ。もうしないから……お願い!」
慶次は拝むようにして顔の前で手を合わせた。
「反省してるか?」
「はい、そりゃあもう……」
嘘くさいが、まあいいだろう。
「だったら条件をやる」
「条件?」
「そうだ。それを満たせば家から追い出すのは勘弁してやる」
「どんな?」
「それはだな……働く事だ」
「はあ?」
「今から1ヶ月以内に働け。アルバイトでも何でもいいが、この屋敷の外でだ。それが条件だ」
「ちょっと待ってよ。僕は働いた事が一度もないんだよ?」
「偉そうに言うな。そんなのは自慢にならない」
「そんな、無茶だよ……。他の条件にしてくれない?」
「ダメだ」
「う……」
「嫌なら出て行ってもらう」
「ちぇっ。わかったよ……。ところでさ」
「何だ?」
「小松ちゃんは?」
「ん?」
「小松ちゃんにも罰を与えるよね? 聞けば小松ちゃんが一番の“実行犯”だもんね? 相当重い罰を与えないとおかしいよね?」
慶次は、自分の事を棚に上げてそんな事を言った。ま、実際に俺はそのつもりだし、実は俺が本当に怒っているのは小松に対してだけだ。菊子さんや慶次に対しては、怒ると言うより呆れた、と言った方が正しいと思う。
慶次に働けと言ったのも、実は罰と言うよりも彼のためを思っての事なんだ。
「それはもちろん考えてるさ。その前におまえにひとつ言っておく」
「え? なになに?」
「今後、小松の事を“小松ちゃん”とか呼ぶのはやめてもらいたい」
慶次は拝むようにして顔の前で手を合わせた。
「反省してるか?」
「はい、そりゃあもう……」
嘘くさいが、まあいいだろう。
「だったら条件をやる」
「条件?」
「そうだ。それを満たせば家から追い出すのは勘弁してやる」
「どんな?」
「それはだな……働く事だ」
「はあ?」
「今から1ヶ月以内に働け。アルバイトでも何でもいいが、この屋敷の外でだ。それが条件だ」
「ちょっと待ってよ。僕は働いた事が一度もないんだよ?」
「偉そうに言うな。そんなのは自慢にならない」
「そんな、無茶だよ……。他の条件にしてくれない?」
「ダメだ」
「う……」
「嫌なら出て行ってもらう」
「ちぇっ。わかったよ……。ところでさ」
「何だ?」
「小松ちゃんは?」
「ん?」
「小松ちゃんにも罰を与えるよね? 聞けば小松ちゃんが一番の“実行犯”だもんね? 相当重い罰を与えないとおかしいよね?」
慶次は、自分の事を棚に上げてそんな事を言った。ま、実際に俺はそのつもりだし、実は俺が本当に怒っているのは小松に対してだけだ。菊子さんや慶次に対しては、怒ると言うより呆れた、と言った方が正しいと思う。
慶次に働けと言ったのも、実は罰と言うよりも彼のためを思っての事なんだ。
「それはもちろん考えてるさ。その前におまえにひとつ言っておく」
「え? なになに?」
「今後、小松の事を“小松ちゃん”とか呼ぶのはやめてもらいたい」