未来から来た花嫁 ~迷走する御曹司~
「小松は病気なんですか!?」
「病気ではないけど、似たようなものね。悪阻が酷くて体が衰弱してるのよ。脱水症状なんかもあるんですって。だから今日は看護士さんが来て、点滴してもらうはずだったのよね……」
そうだったのかあ。確かに昨夜の小松は痩せていて、顔色も良くなかった。それなのに、俺は最悪のタイミングで彼女を追い出してしまった……
「点滴を受けないと、小松はどうなるんですか? まさか、し……」
“死んでしまいますか?”と続く言葉を俺は飲み込んだ。口にするのも恐ろしくて。
「そうねえ。何かお腹に入れて、休んでさえいればすぐに命がどうこうという事はないと思うけど、心配だわ……」
母は、さも心配そうに顔を曇らせた。それは義理とか見かけだけなんかではなく、心から心配しているように俺には見え、その事にとても違和感を感じた。いや、違うな。その違和感は、昼間電話で母と話した時からずっと俺の中に在ったものだ。
「母さん、ひとつだけ聞いてもいいですか?」
俺はそのモヤモヤをはっきりさせたくて、母に聞いてみる事にした。
「病気ではないけど、似たようなものね。悪阻が酷くて体が衰弱してるのよ。脱水症状なんかもあるんですって。だから今日は看護士さんが来て、点滴してもらうはずだったのよね……」
そうだったのかあ。確かに昨夜の小松は痩せていて、顔色も良くなかった。それなのに、俺は最悪のタイミングで彼女を追い出してしまった……
「点滴を受けないと、小松はどうなるんですか? まさか、し……」
“死んでしまいますか?”と続く言葉を俺は飲み込んだ。口にするのも恐ろしくて。
「そうねえ。何かお腹に入れて、休んでさえいればすぐに命がどうこうという事はないと思うけど、心配だわ……」
母は、さも心配そうに顔を曇らせた。それは義理とか見かけだけなんかではなく、心から心配しているように俺には見え、その事にとても違和感を感じた。いや、違うな。その違和感は、昼間電話で母と話した時からずっと俺の中に在ったものだ。
「母さん、ひとつだけ聞いてもいいですか?」
俺はそのモヤモヤをはっきりさせたくて、母に聞いてみる事にした。