未来から来た花嫁 ~迷走する御曹司~
「痛え……」
俺は伊達政宗に殴られた。左の顎のあたりを、拳固で。すぐに鉄みたいな味がしたから、おそらく唇が切れたのだと思う。
伊達政宗は更に拳を振るったが、俺は何とかそれを手で受け止めた。そう何度も殴られるわけには行かない。
「君は随分乱暴だな?」
「うるさい! おまえなんか殴られて当然だ!」
伊達政宗の声は、意外に甲高かった。それだけ若いという事か。そう言えば、小松より年下だと聞いたような気がする。
「そうかもしれないが、ちゃんと訳を知りたい。なぜ俺は君に殴られないといけないんだ?」
「そんな事、自分の胸に聞いてみろ」
「それでもわからないから聞いている」
「チッ。姉貴を泣かしたからに決まってんだろ!」
「…………なに!?」
その時、トントンとノックの音がし、山内さんがドアを開いた。来客用のお茶を持って来てくれたらしい。
「じょ、常務……?」
山内さんは、掴み合う形になった俺と伊達政宗を見て、目を丸くした。
「私、警備員を呼んで来ます!」
「待ってくれ。大丈夫だから」
「でも常務、お口から血が……」
「いいんだ。ちょっとした手違いがあっただけで、これから静かに話すところだったんだ。伊達君、座ってくれたまえ」
そう言って伊達政宗の肩を両手で押さえると、彼は渋々という感じでソファに腰を下ろした。
山内さんは、お茶をテーブルに置きながら、心配そうな顔で俺を見たが、俺がニッと笑うと、お辞儀をして去って行った。
やれやれ、だな。さてと、どっちから聞こうか……
伊達政宗は、凄く気になる事を言ったのだ。2つも……
俺は伊達政宗に殴られた。左の顎のあたりを、拳固で。すぐに鉄みたいな味がしたから、おそらく唇が切れたのだと思う。
伊達政宗は更に拳を振るったが、俺は何とかそれを手で受け止めた。そう何度も殴られるわけには行かない。
「君は随分乱暴だな?」
「うるさい! おまえなんか殴られて当然だ!」
伊達政宗の声は、意外に甲高かった。それだけ若いという事か。そう言えば、小松より年下だと聞いたような気がする。
「そうかもしれないが、ちゃんと訳を知りたい。なぜ俺は君に殴られないといけないんだ?」
「そんな事、自分の胸に聞いてみろ」
「それでもわからないから聞いている」
「チッ。姉貴を泣かしたからに決まってんだろ!」
「…………なに!?」
その時、トントンとノックの音がし、山内さんがドアを開いた。来客用のお茶を持って来てくれたらしい。
「じょ、常務……?」
山内さんは、掴み合う形になった俺と伊達政宗を見て、目を丸くした。
「私、警備員を呼んで来ます!」
「待ってくれ。大丈夫だから」
「でも常務、お口から血が……」
「いいんだ。ちょっとした手違いがあっただけで、これから静かに話すところだったんだ。伊達君、座ってくれたまえ」
そう言って伊達政宗の肩を両手で押さえると、彼は渋々という感じでソファに腰を下ろした。
山内さんは、お茶をテーブルに置きながら、心配そうな顔で俺を見たが、俺がニッと笑うと、お辞儀をして去って行った。
やれやれ、だな。さてと、どっちから聞こうか……
伊達政宗は、凄く気になる事を言ったのだ。2つも……