未来から来た花嫁 ~迷走する御曹司~
その名は真田幸村
その店長さんらしい人に着いて行くと……いた!
明るいブルーの制服を着て、レジで客に対応している若い店員さんは、見まごうことなく正に小松だった。
約1ヶ月ぶりに見る小松は、相変わらずお人形さんのように可愛かった。そして、頬のあたりはいくぶんふっくらしてるように見え、顔色も良く、とても元気そうに見える。
小松は接客に集中しているようで、俺には全く気付いていない。今すぐ近付いて彼女を思い切り抱き締めたい。そんな衝動を俺は何とか堪え、
「小松?」
と呼んでみた。すると小松はハッとして顔を俺に向け、あの大きな目を更に大きく見開いた。
「ご、ご主人さま!?」
その呼び方が懐かしく、今でもそう呼んでくれた事が嬉しい俺ではあったが、周りの人はびっくりしたようだ。小松もそれに気付き、“しまった”と言うように小さな手で口を押さえたが、もう遅いって。
客の人々や、店長さんらしき人は、目を丸くして俺と小松を見比べていた。
「小松、久しぶりだね?」
「は、はい……」
「元気かい?」
「え、ええ、まあ……」
小松は、困ったようにもじもじした。というか、実際に困ってるのだろう。周りに人がいて。俺もこの状況ではちょっと話しにくい。
「表で話さないか?」
「え? 今は仕事中なので、後で……」
「悪いけど待てないよ」
「でも……」
と、その時。ちょうど店長さんらしき人がここにいる事に俺は気付いた。
「店長さん。すみませんが小松は早退します。いいですよね?」
「は、はい……」
「って言うか、辞めます。たぶん」
「えーっ!?」
「じゃあ、行こう? 小松……」
俺は戸惑う小松の手を取り、半ば強引にスーパーを後にした。
明るいブルーの制服を着て、レジで客に対応している若い店員さんは、見まごうことなく正に小松だった。
約1ヶ月ぶりに見る小松は、相変わらずお人形さんのように可愛かった。そして、頬のあたりはいくぶんふっくらしてるように見え、顔色も良く、とても元気そうに見える。
小松は接客に集中しているようで、俺には全く気付いていない。今すぐ近付いて彼女を思い切り抱き締めたい。そんな衝動を俺は何とか堪え、
「小松?」
と呼んでみた。すると小松はハッとして顔を俺に向け、あの大きな目を更に大きく見開いた。
「ご、ご主人さま!?」
その呼び方が懐かしく、今でもそう呼んでくれた事が嬉しい俺ではあったが、周りの人はびっくりしたようだ。小松もそれに気付き、“しまった”と言うように小さな手で口を押さえたが、もう遅いって。
客の人々や、店長さんらしき人は、目を丸くして俺と小松を見比べていた。
「小松、久しぶりだね?」
「は、はい……」
「元気かい?」
「え、ええ、まあ……」
小松は、困ったようにもじもじした。というか、実際に困ってるのだろう。周りに人がいて。俺もこの状況ではちょっと話しにくい。
「表で話さないか?」
「え? 今は仕事中なので、後で……」
「悪いけど待てないよ」
「でも……」
と、その時。ちょうど店長さんらしき人がここにいる事に俺は気付いた。
「店長さん。すみませんが小松は早退します。いいですよね?」
「は、はい……」
「って言うか、辞めます。たぶん」
「えーっ!?」
「じゃあ、行こう? 小松……」
俺は戸惑う小松の手を取り、半ば強引にスーパーを後にした。