未来から来た花嫁 ~迷走する御曹司~
何だか今の一件で、高めだったテンションが一気に下がった気がする。俺って、世間知らずの情けない男だったのかも……
「ご主人さま、どうしたんですか?」
「え? 俺は世間知らずなダメな男なんだな、と思ってさ」
「そんな事ないですよ……」
落ち込む俺をよそに、隣に座る小松は両手で包むようにミルクティーの缶を持ち、顔には笑みさえ浮かべ、何やら楽しそうに見える。
あ、そうだ。この低いテンションのまま謝ろう。赤ちゃんの事を……
「小松……」
「はい?」
「すまなかった」
「どうしたんですか? 急に……」
「本当にすまないと思う。この通りだ」
俺は小松に向かい、深く頭を下げた。
「もう……何の事ですか? あ、わかった。あの電話ですね? そうですよ……ご主人さまったら、酔って酷い事言うから……」
小松は、例によって頬をプクッと膨らませ、俺が大好きな怒った顔をした。久々に見たが、やっぱり可愛いなあ……なんて、ニヤケてる場合ではないな。
「そうじゃないんだけど、あれもごめん」
小松が屋敷を出て行った晩、俺は慣れない酒を飲んで悪酔いし、暴言を吐いて小松を怒らせた。
あれも悪かったとは思うが、赤ちゃんの事とは比較にならないと思う。
「ちょっとごめん」
「ひゃっ」
俺は、素早く手の平を小松のお腹に当ててみた。
「やっぱりかあ……」
「ご主人さま、どうしたんですか?」
「え? 俺は世間知らずなダメな男なんだな、と思ってさ」
「そんな事ないですよ……」
落ち込む俺をよそに、隣に座る小松は両手で包むようにミルクティーの缶を持ち、顔には笑みさえ浮かべ、何やら楽しそうに見える。
あ、そうだ。この低いテンションのまま謝ろう。赤ちゃんの事を……
「小松……」
「はい?」
「すまなかった」
「どうしたんですか? 急に……」
「本当にすまないと思う。この通りだ」
俺は小松に向かい、深く頭を下げた。
「もう……何の事ですか? あ、わかった。あの電話ですね? そうですよ……ご主人さまったら、酔って酷い事言うから……」
小松は、例によって頬をプクッと膨らませ、俺が大好きな怒った顔をした。久々に見たが、やっぱり可愛いなあ……なんて、ニヤケてる場合ではないな。
「そうじゃないんだけど、あれもごめん」
小松が屋敷を出て行った晩、俺は慣れない酒を飲んで悪酔いし、暴言を吐いて小松を怒らせた。
あれも悪かったとは思うが、赤ちゃんの事とは比較にならないと思う。
「ちょっとごめん」
「ひゃっ」
俺は、素早く手の平を小松のお腹に当ててみた。
「やっぱりかあ……」