未来から来た花嫁 ~迷走する御曹司~
なるほど……

小松が言った事は、とても筋が通っていた。客観的に考えれば、俺は小松の事を何とも思ってなく、冷たい仕打ちをした事になるのかもしれない。


なんて、感心してる場合ではもちろんない。確かに俺のとった行動は、小松にそう思われても仕方なかったかもしれないが、それは全くの誤解なのだ。その誤解を解かなければ……


「違うよ。それは誤解だ。おまえが妊娠してから触れなかったのは、お腹の赤ちゃんに障るといけないと思ったからで……」

「大丈夫なのに……」

「え?」

「妊娠中でも、していいんです」

「いいの? お医者さんに聞いたのか?」

「そんな事、恥ずかしくて聞けません。ネットで調べたんです」

「小松が、自分で?」

「そうですよ? 人に頼めるわけないじゃないですか……」


小松は顔を真っ赤にし、口ごもるような感じでモゴモゴと言った。

どんな言葉で検索したのだろう。小松がケータイで一生懸命に検索する姿を想像したら、俺まで顔が熱くなってしまった。


「そうかあ。失敗したなあ。俺も調べれば良かったよ。そうと知っていれば……」

「それはもういいですから。どっちにしろ、私は追い出されましたよね?」

「それも誤解だよ。俺は追い出したんじゃない。おまえを解放したんだ」

「同じだと思います」

「全然違うだろ?」

「どっちにしても、ご主人さまは平気だったんですよね?」

「何が?」

「私が他の男の人と、一緒に暮らしてもです」

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