未来から来た花嫁 ~迷走する御曹司~
「それって、政宗君の事だよね?」

「そうですよ。彼、とっても優しくしてくれるんです。私に……」


小松は何を言ってるんだろうか。相手は弟なのに……

それにしても小松は本当に表情が豊かだ。怒ったり、泣いたり、恥ずかしがったり。そして今は、まるで悪戯っ子のような小生意気な薄笑いを顔に浮かべている。見ていて全く飽きないなあ。


「それでもご主人さまはヤキモチを妬きませんよね? 私の事なんか何とも思ってない証拠だと思いますけど?」


ああ、小松はそれを言いたかったわけか……

小松の演技をもう少し見たくて、俺はちょっとだけ彼女をからかう事にした。


「へえー。じゃあ、彼はエッチも上手なんだろうね?」

「え、エッチですか? そ、そりゃあもう……」

「俺よりも?」

「なっ……何を言って……」


小松はまたもや顔を真っ赤にし、しどろもどろだ。このぐらいにしておくかな。


「そういう事、弟としちゃいけないんだぞ?」

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