未来から来た花嫁 ~迷走する御曹司~
「ご主人さま……」
小松は、その澄んだ瞳を一瞬揺らした後、なんと俺に抱き着いてきた。
「小松?」
「嬉しいです。ご主人さま……」
「え? という事は、君も、俺を……?」
「好きです。好きに決まってるじゃないですか……」
「小松!」
俺は、小松の華奢な体をギューッと抱き締めた。嬉しくて嬉しくて、こういうのを“天にも昇る嬉しさ”と言うのだろうなと思った。今までの人生で、こんなにも嬉しかった事は一度もなかったと思う。
「俺は最初から君が好きだったのに、本当に気付かなかったのかい?」
「思いもしなかったです。ご主人さまは、私になんか興味ないんだと思ってました。だから政宗の事も言わなかったんです。言う必要はないと思って……」
「そうだったのか……。俺は平気な振りをしていただけで、本当は政宗君に嫉妬していたんだよ?」
「どうして問い詰めなかったんですか?」
「だって、君は俺の事なんか眼中にないと思ってたからさ。君から見たら、俺なんかただの年寄りだろうって……」
「そんなわけないじゃないですか。私はお屋敷に来て、一目見た時からご主人さまに憧れていました」
「そ、そうなのか?」
「そうですよ。素敵な方だなあ、って……」
「そうだったのか……。ところで小松、俺達ちょっとばかり目立ってるみたいだな?」
「え?」
気が付けば、スーパーの買い物客らしき人々が、立ち止まって俺と小松を見ていた。みな一様に、目を見開いて。そりゃあ、スーパーの店員とスーツ姿の男が、こんな所で抱き合ってたら目立って当然だよな。
小松は、その澄んだ瞳を一瞬揺らした後、なんと俺に抱き着いてきた。
「小松?」
「嬉しいです。ご主人さま……」
「え? という事は、君も、俺を……?」
「好きです。好きに決まってるじゃないですか……」
「小松!」
俺は、小松の華奢な体をギューッと抱き締めた。嬉しくて嬉しくて、こういうのを“天にも昇る嬉しさ”と言うのだろうなと思った。今までの人生で、こんなにも嬉しかった事は一度もなかったと思う。
「俺は最初から君が好きだったのに、本当に気付かなかったのかい?」
「思いもしなかったです。ご主人さまは、私になんか興味ないんだと思ってました。だから政宗の事も言わなかったんです。言う必要はないと思って……」
「そうだったのか……。俺は平気な振りをしていただけで、本当は政宗君に嫉妬していたんだよ?」
「どうして問い詰めなかったんですか?」
「だって、君は俺の事なんか眼中にないと思ってたからさ。君から見たら、俺なんかただの年寄りだろうって……」
「そんなわけないじゃないですか。私はお屋敷に来て、一目見た時からご主人さまに憧れていました」
「そ、そうなのか?」
「そうですよ。素敵な方だなあ、って……」
「そうだったのか……。ところで小松、俺達ちょっとばかり目立ってるみたいだな?」
「え?」
気が付けば、スーパーの買い物客らしき人々が、立ち止まって俺と小松を見ていた。みな一様に、目を見開いて。そりゃあ、スーパーの店員とスーツ姿の男が、こんな所で抱き合ってたら目立って当然だよな。