未来から来た花嫁 ~迷走する御曹司~
「ごめん。ちょっとシツコカったかな。でもさ、気になるんだよね……」
「何が?」
「ん……ひとつには小松ちゃんが可愛いからさ。僕、あの子に目を付けてるんだけど、もし信之さんも気に入ってるなら譲ってもいいかなと……」
「な、何を言ってる? 譲るとか譲らないとか、訳がわからん」
「またまたあ、赤い顔しちゃって……。まんざらでもないんじゃない?」
なぜか一瞬で顔がポッと熱くなったから、俺の顔は今確かに赤くなっているかもしれない。
「ま、それは別にいいと思うけど、そうなるとあっちの方がますます心配でさあ」
「“あっち”? あっちって何だ?」
「え? 分からないかなあ。今、この屋敷で誰もが気にしてる事だよ?」
「そう言われても分からないなあ……」
ああ、きっとあの事だろうな、と思ったが、俺はあえて惚けてみた。あの事には、あまり触れてほしくなかったし。
「何が?」
「ん……ひとつには小松ちゃんが可愛いからさ。僕、あの子に目を付けてるんだけど、もし信之さんも気に入ってるなら譲ってもいいかなと……」
「な、何を言ってる? 譲るとか譲らないとか、訳がわからん」
「またまたあ、赤い顔しちゃって……。まんざらでもないんじゃない?」
なぜか一瞬で顔がポッと熱くなったから、俺の顔は今確かに赤くなっているかもしれない。
「ま、それは別にいいと思うけど、そうなるとあっちの方がますます心配でさあ」
「“あっち”? あっちって何だ?」
「え? 分からないかなあ。今、この屋敷で誰もが気にしてる事だよ?」
「そう言われても分からないなあ……」
ああ、きっとあの事だろうな、と思ったが、俺はあえて惚けてみた。あの事には、あまり触れてほしくなかったし。