未来から来た花嫁 ~迷走する御曹司~
俺は呼び鈴を押し、ドアの正面から横にずれて待った。小松が覗き穴から俺を見て、居留守を使うといけないからだ。少し待ち、もう一度呼び鈴を押したところ、カチャッと音がしてドアが細く開いた。
「どちらさまでしょうか?」
開いたドアから顔を覗かせたのは、正に小松だった。その愛らしい顔に思わず俺の胸は高鳴り、怒りも疑惑も一遍でどこかへ飛んでしまいそうだった。
「小松……」
「の、信之さま!?」
小松は来訪者が俺とわかると、小さく叫んで目を大きく見開いた。俺は小松がドアを閉めてしまわないよう、ドアの縁を手でガシッと掴んだ。
「ここでいったい何をしている?」
「きゅ、休憩をいただきました。ちゃんと山本さまにはお断りを……」
山本というのは爺やの苗字だ。爺やの名前は山本勘助という。
「別に責めてるわけじゃない。何をしてるのか聞いてるだけだ」
「す、すみません。えっと、この部屋の掃除と洗濯を……」
「男はいないのか?」
「政宗は学校へ行っています」
男の名は政宗というのか。つまり伊達政宗……。キザな名前だな。
つまり小松の彼氏は伊達政宗という名前の大学生で、彼が留守中に小松はわざわざ休憩を取り、掃除や洗濯をしに来てるわけか。くそっ。
「どちらさまでしょうか?」
開いたドアから顔を覗かせたのは、正に小松だった。その愛らしい顔に思わず俺の胸は高鳴り、怒りも疑惑も一遍でどこかへ飛んでしまいそうだった。
「小松……」
「の、信之さま!?」
小松は来訪者が俺とわかると、小さく叫んで目を大きく見開いた。俺は小松がドアを閉めてしまわないよう、ドアの縁を手でガシッと掴んだ。
「ここでいったい何をしている?」
「きゅ、休憩をいただきました。ちゃんと山本さまにはお断りを……」
山本というのは爺やの苗字だ。爺やの名前は山本勘助という。
「別に責めてるわけじゃない。何をしてるのか聞いてるだけだ」
「す、すみません。えっと、この部屋の掃除と洗濯を……」
「男はいないのか?」
「政宗は学校へ行っています」
男の名は政宗というのか。つまり伊達政宗……。キザな名前だな。
つまり小松の彼氏は伊達政宗という名前の大学生で、彼が留守中に小松はわざわざ休憩を取り、掃除や洗濯をしに来てるわけか。くそっ。