未来から来た花嫁 ~迷走する御曹司~
「悪いが、俺と一緒に屋敷へ戻ってもらう」
「で、でも、まだ掃除が……」
「急いでるんだ。車を待たせてるし、既に浅井家の人々が家に来ているはずだから」
「わ、わかりました。コートを取って来ますのでお待ちください」
「うむ」
小松は普段着に着替えていた。下はジーンズに上はブラウスとカーディガン。うん、メイド服でなくても小松は十分に可愛い。むしろこっちの方が小松には似合っているように思う。兼続が言ったみたいに、単にメイド服に萌えてるのではなかったのだ。こんな時にそれを確認するというのも皮肉な話だが。
「お待たせしました」
小松は、手にコートと手提げ袋を提げて戻って来た。そして、玄関から表に出ようとした瞬間、部屋の奥からある鳴き声がした。
それは、ミャーという、明らかにネコの鳴き声で、それと同時に、小松がハッと息を飲む気配がした。
「ネコを飼っているのかい?」
「は、はい……」
「そうか」
ミャー。
もう一度ネコの鳴き声が聞こえたが、俺はその声に聞き覚えがあった。それは……
俺は靴を脱いで部屋に上がり込み、奥の仕切り戸を横に大きく開いた。すると、足元に俺を見上げる一匹の小さなネコがいた。紺色のベルベットのような毛並みのそのネコは……やはりヒロミだった!
「で、でも、まだ掃除が……」
「急いでるんだ。車を待たせてるし、既に浅井家の人々が家に来ているはずだから」
「わ、わかりました。コートを取って来ますのでお待ちください」
「うむ」
小松は普段着に着替えていた。下はジーンズに上はブラウスとカーディガン。うん、メイド服でなくても小松は十分に可愛い。むしろこっちの方が小松には似合っているように思う。兼続が言ったみたいに、単にメイド服に萌えてるのではなかったのだ。こんな時にそれを確認するというのも皮肉な話だが。
「お待たせしました」
小松は、手にコートと手提げ袋を提げて戻って来た。そして、玄関から表に出ようとした瞬間、部屋の奥からある鳴き声がした。
それは、ミャーという、明らかにネコの鳴き声で、それと同時に、小松がハッと息を飲む気配がした。
「ネコを飼っているのかい?」
「は、はい……」
「そうか」
ミャー。
もう一度ネコの鳴き声が聞こえたが、俺はその声に聞き覚えがあった。それは……
俺は靴を脱いで部屋に上がり込み、奥の仕切り戸を横に大きく開いた。すると、足元に俺を見上げる一匹の小さなネコがいた。紺色のベルベットのような毛並みのそのネコは……やはりヒロミだった!