【短編】異世界の館
そして急に、ゲームショップで言われた紳士の言葉を思い出した。


「…代わりのモノって、彼女を失うって事だったんだ!」



俺は如月サキを振り払うと、急いで部屋を出た。


今なら未だ間に合うかも知れない!


俺をずっと救おうとしてくれていた彼女に、急に愛しさを感じた。



如月サキが好きだから彼女を好きになったんじゃない。逆だったんだ!俺は彼女が好きだから…









急ぎ足で階段を降りている時にふと違和感を感じた。



今まで部屋にいて気付かなかったが、何か匂う…



「うっ…。」



一階はものすごい異臭がしていた。生ゴミのくさったような強烈な匂いと、まるで鉄のような血の匂いが合わさって…。


俺は鼻をつまんで、リビングの扉を開けた。


「…母さん?父さん?誰かいるの?」









カラン…
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