わがまま即興曲。
だって、
ママに話すと面倒なことになるんだもん。

「え?あやちゃん、学校に行きたいの?
ママ、聞いてないわよ?」

「言ってないし。」

「お話してないんですか?彩音さん。」

仕方ないから面会時間に来た母に話す。

「でも困ったわね。
明日はパパの銀行の奥様方とお茶会があるから…
あ!学校の人に迎えに来てもらうのはどう?」

「それだけはやめて!!」

学校に迷惑をかけるのだけは嫌だ!

「あやちゃん…」

「だったら学校行かないからいい!」

だからママに言うのは嫌だったんだ…

「彩音さん…」

先生もこちらを見る。
同情されてるのかな…

ていうか、
あんたが言い出したんでしょ?

「私は一人で行けるのに…」

「あやちゃん、わがまま言わないの。
先生がそれはダメって言ってるのよ?
ママもそれは心配だし。」

先生さえ、
一人で行くことを許してくれたら、
それでよかったのに…

私は先生をキッと睨みつけた。
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