わがまま即興曲。
時は変わって、球技大会当日。

あのメガネに言われたので、
まあ、言われなくてもだけど、

私はどの競技にも出ることができない。

ゆえにめちゃくちゃ暇であるはず…
なのだが。


今日も今日とて
私は谷中先生のストーカーをしているので、
今はちょっと忙しい。

他の子と違って試合がないから、
時間的拘束のない私は、ずっと先生を追いかけて歩くことができる。

話しかけはしないけど…

大好きな谷中先生には、
私が病弱な子とは思われたくない。
病気のせいで試合に出られないことを知られたくないのだ。

せめて先生の前では、普通の子でいたいから。

だから私は、
こっそり後ろをつける。
まさにストーカーだ。


…自分でもちょっとはどうかと思う。


先生を追いかけて裏庭に来てしまった。

何故、裏庭?
裏庭を通って本部の方へ行こうとしているのかな?

私は追いかける。

先生は、途中で生徒に話しかけた。

…あれは!?






先生が話しかけた生徒は
私の数少ない友達の一人、
滝野 凛だった。
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