わがまま即興曲。
「進本さん、知ってた?」

「………」

病室に戻ってからも、
私はまだ衝撃を受けていて、
夕食を持ってきた進本さんにひたすら話していた。

まあ、進本さんは相変わらず、
何も言ってくれないけれど…

「谷中先生の弟が谷中先生だったんだよ!?」

あれ?
何言ってんだ?私。
両方とも先生って面倒くさいなあ…

「………」

「進本さん、谷中先生に…あ、弟の方なんだけど、
会ったことある?」

一人で驚きすぎて落ち着かないから、
進本さんに話をふってしまった。
…答えてくれるだろうか。

「………
あの、賑やかな方ですか?」

「そう!多分、それ!
あんまり似てないですよね?
っていうか、会ったことあるんだ?」

「たまに、
お兄さんに会いにいらっしゃるので」

「…え!?」
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