わがまま即興曲。
「あの子は、小学校にもろくに行けなくて!」

「年齢と共に、体力がついていく例が多いです。
るるちゃんと同じ病気でも大学まで、卒業してる方、多いですよ?」

「でも、あの子がそうとは限らない!」


…だから来たくなかったんだよ。

るるの病室には、
涙を流するるの母親と、
主治医の谷中先生がいた。

ん?

谷中先生って、るるの主治医なのか。


「おかーさん…なんで、ないてるの?
どこか、いたいの?」
「るる…」

るるが母親の元に駆け寄って行き、
母親がるるを抱き締める。

「ねえ、おかーさん、さっき、
るるがしんじゃうっていってたよね?」

うわ………
子供の空気の読めなさってほんと罪だよな。

るるの言葉を聞き、
母親は声をあげて泣きながら、
るるを強く抱き締める。

「ふぇ……るる……や、っぱり…ひっく…
しんじゃうの?
るる…は…しにたく…ひっく…ないよ…」

母親が泣いてるので悲しくなったのだろう。
るるまで泣きはじめた。
その姿を見て、さらに母親が泣く。

なんちゅう負のスパイラル…

…先生は、どうしたら良いかわからないといった様子で見ている。
< 133 / 288 >

この作品をシェア

pagetop