わがまま即興曲。
「病気で暗い気持ちになるの、嫌なの…
そりゃ、たまには私もあるよ?
自分がいなくなったらどうなるんだろうとか、考えること………」

「………」

「で・も!
考えて考えて気づくの!
そんなこと考えてもどうにもならないってことに!
だったら、暗くなるだけバカらしいじゃん?
その分、明るく、面白いこと考えてた方がいいじゃん?」

「彩音さん…」

「できるだけ、病気のことは考えないでね…
普通の人と同じように笑ったりするの。
そのことが私が病気にしてやれる復讐だと思うんだ!
私はお前のことなんて、全然気にしてねーぞ?って。
だから…ね?」

「だから…」

「私はなるべく、明るくいたい!
そして…
"普通"でありたいの!」

「………っ!!!」

先生は驚いた顔をしてこちらを見る。

「なーに?驚いた顔してんだコラァ!
私の言葉に感動しちゃったかぁ?」

「ふふっ…」

先生はとたんに笑いだす。
ん?
笑うところか?ここ。

「不思議な人だとは毎度思っていましたけど…
やっぱり、彩音さんは強い!
僕、彩音さんのそういうところ、
大好きです!」
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