わがまま即興曲。
「くぅー!シャバの空気はやっぱり美味しい!!」

「…彩音、刑務所にでもいたの?」

「似たようなもん……って、あ!
たきのり、久しぶり!」

カフェの手前でたきのりと会う。

久々に会って、
外の空気も吸って、
私はそれだけでテンションMAXだけど…


「うわあ…
モンブラン、おいしそう!
ああ、だけど、
ショートケーキも捨てがたい…
あ、レアチーズケーキという選択肢も!」

「たきのり、はしゃぎすぎだから。」

たきのりも、喫茶店のケーキをみて、
滅茶苦茶はしゃいでいる。

その姿をみて、
私はさらに嬉しくなる。

「ここできて1か月近くになるし、
たきのり、情報遅すぎ。
もう夏休みなんだから、
来ようと思えば
いつでも来れただろうが。」

たきのりは、
私と違って、いつでも出かけられるのにな。

「う…その通りです。」

何故か、ちょっと気まずそうなたきのり。

「まあまあ、彩音。
それに凛も。
私たちの一口ずつあげるから、ね?」

雪乃が口をはさむ。

これだよ!
私は、これを求めていたの!
やっぱり、抜け出してきてよかった。

私は体調の悪さなど、すっかり忘れ、
二人との会話に幸せを感じていた。
< 164 / 288 >

この作品をシェア

pagetop