わがまま即興曲。
雪乃は夏休みも毎日のように部活をしているらしい。
雪乃から、合唱部が文化祭で、レ・ミゼラブルをやることを聞いた。
そうなんだー…なんて思っていると…


「あれ?彩音は知ってるんじゃないの?
今年も伴奏やるんでしょ?
メールの返信がないって困ってたよ?」

と雪乃に言われる。

あ…やっべ。病院で携帯使えないから、
全然、メール確認してなかった…

「え…あ、メール来てたね!
返信するの、すっかり忘れてた。
あははー」

まさか、入院してて携帯見れなかったなんて言えない。

「めずらしいね?
彩音、伴奏のことだったら、
いつもすぐに返信するのに。」

たきのりが言う。
こいつ…なかなか鋭いぞ!?

「合唱部は
歌が完成した後に、伴奏つけるから。
私の出番はまだまだだし。」

と、私はごまかしたんだけど…


「彩音、なんか隠してない?」

ギクッ!!

なんだ?こいつ。
さっきから進本さん並みに鋭い!

「何も隠してねーよ!
レミゼといえば、たきのり、
前にオン・マイ・オウン歌ったよね。」

私は急いで話題を変えた。
< 165 / 288 >

この作品をシェア

pagetop