わがまま即興曲。
「お見舞いにくるなって、言ったの聞いてなかったの?
それとも日本語理解できないの?
たきのりはついにそれほどまでにバカになったの?」

「あやちゃん…せっかくお見舞いに来てくれたお友達なんだから…」

「気にしないでください。
これが挨拶みたいなもんなんで。」


3日もすれば、すっかり熱も下がり、

暇だなー
ピアノ弾きたいなー
でも、ママいるから無理だなー

って思ってたところに、たきのりが現れた。


「あ、はじめまして、彩音さんの友達の滝野凛です。
彩音さんにはいつもお世話になってます。」

「こちらこそ、彩音がいつもお世話になってます。」

ごく自然に挨拶をしあうママとたきのり。

私はなんかハラハラする。
ママがたきのりの事、気に入らなかったらどうしようって…

「ママ、たきのりと二人で話したいんだけど。」

出てってくれないかなーと思ってるのに…

「なに言ってんのー?あやちゃん。
お母さん、せっかく来てくれてるのに、
かわいそうじゃん。」

と、たきのりに 咎められる。
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