わがまま即興曲。
「いいの。
いつものことだから。
それよりも、あやちゃんのお見舞いに来てくれるお友達、今までいなかったから、嬉しいのよ!
私は先生と話すことあるので、行きますけど、
ゆっくりしていってね、滝野さん。」

と言ってお母さんは部屋を出ていく。

「良いお母さんじゃん。」

と、たきのり。

「私のこと好きなのはわかるけどさ…
たきのりも私が小学生の時の話、知ってんでしょ?」

「うん。まあ…」

「……私が何かいけないことすると、
全部、友達のせいにして、
私を怒る前に、友達を怒るの。
だから、私のまわりに人がいなくなる。
お母さんにやめて!って言っても、
あやちゃんのためなのよ。って泣きながら言われて…
そのことがあるから、
たきのりに酷いこと言うんじゃないかって、
ついついハラハラしちゃうの。」

思わず愚痴ってしまう。

「私は気にしないよ?」

と、たきのり。

「え…でも…」

「彩音に嫌われたわけじゃないなら、
気にしない。
彩音のお母さんがなんと言おうと、
私は彩音の友達だもん!」

「たきのり……ありがと。」

「きゅん!
やっぱりあやちゃんは素直になると、
ぐう可愛だなあ…
犯したくなっちゃうぞー?
ここ、病院なんていう、なかなか良いシチュ…」

「ふざけんな!調子のんな!
そして、さりげなく、あやちゃんとか呼ぶな!」

やっぱり、たきのりはいつものたきのりで…
こいつと話すと心から笑える。
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