わがまま即興曲。
「あ、そうだ。
これ、お見舞いに。」

「ん?漫画?」

「うん。
私のオススメ!」

取り出してみると、
中々、胸の大きな女性が、
色んな機械に繋がれている絵の表紙で…

「たきのり…どういうセンスしてんの?」

「あ、その人、主人公でサイボーグなの!」

「いや、そういうこと言ってんじゃなくて…」

「本当は映画とかアニメの方がわかりやすいんだけど、
彩音は頭良いから、きっと原作でも大丈夫かなって!」

「いや、だからさ。
なんで男性向け漫画なわけ?
女子高生なら、少女漫画とかだろうが!」

「少女漫画の女の子は胸ちっさいし…」

「そこかい!知らんがな!そんなこと!
ていうか、何なんだよ、お前。
漫画の好き嫌い、女の子の胸の大きさで選んでんじゃねーよ!男か!」

私は気づいた。
たきのりと話すと心から笑える。と言うより、
ついつい笑ってしまうのだ。

こいつと話しているときの私は、
本当に無理して明るくしているわけではない。

本当に楽しい…

全てを忘れて楽しめる!

「まあ、ありがと。」

私はたきのりに感謝してもしきれないんだなあ
って、いつも思ってる。
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