わがまま即興曲。
「ちょっと、わかったかも!」

「そうかそうか、それは良かった。」

「でも…るるにはむり。」

「なんでよ?」

「ずこうのえ、まだできてないのに、
にゅういんしちゃったから…」

「ああ…」

私も昔そんなことあったなあ。

「るるのからだが、もっとがんじょーならよかったのに。」

頑丈って…どっかで覚えた言葉なんだろうな。

「昨日読んだ漫画がすごくてさ…
簡単にまとめると人間が電脳化、義体化して、
暴走した機械と戦う話なの!」

たきのりがくれた漫画が、
ものすごくSFだった。

あいつ、あんなん読むんか…って思ったけど、
ちょっと面白かった。

「でんのーか?ぎたいか?」

「えっとね、だから…
その世界では体をロボットみたいにできて、
私たちみたいに、病気になったりしないんだよ!すごくね?」

「すごいすごい!」

「憧れるよね!
本当にそんな時代が来ないかなー…
そしたら、もう、いちいち入院しなくてすむのに。」

「あ、あのね!るる…」

「彩音さん!やっぱりここでしたか!!」
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