わがまま即興曲。
「こっち!」

と案内されたのは病院の庭。

木を見上げる少年二人。
どっちがじゅんくんで、
どっちがたかしくんだか知らないけど、
二人ともどっちかの手にギブスをしている。

片手でバトミントンをやったはいいけど、
飛ばし過ぎて羽がひっかかって、
取りに行けない…と。

るるは面白がってバトミントンを見てたけど、
木に引っ掛かけて困ってる二人を見て、
誰かを探しに行った。

…そして私を見つけた。と。


「仕方ない。私がとってきてやろう。」

木登りくらいなら平気だろ。
今はもやもやしてたし、
ちょっとくらい体を動かしたい。

私基準だと、木登りは激しい運動じゃないし…
この木登りやすそうだし。


私は枝に手をかける。

おっ!登りやすい!これはいける!

すいすいすいっと登っていく。

「あやねちゃん、すごーい!」

「まあね!」

褒められて嬉しい。
私、意外といけるじゃん!

「ぱんつまるみえー」

「うるさい!みるな!」

じゅんくんか
たかしくんのどっちかに言われる。
ったく、誰のために木登りしてると思ってんのよ!
あと、言われて気づいたけど
そういえば私、制服だった…
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