わがまま即興曲。
さて羽は、あそこだな…

手を伸ばそうとしたときに…


「彩音さん!?」

ビクッ!


なんか、聞きたくない声が聞こえたぞ?

…空耳だろ。

そう思うことにしたけど…


「何してるんですか!!」


…空耳じゃなかった。
見ると、こっちを見てるあのメガネ。

「見てわかりません?
バトミントンの羽を取ろうとしてるんです!」


ぃ…よっ!…よし!!
羽がとれた。

「危ないですから早く降りてください!」

言われなくてもこんなところに長居する気はない。

「じゅんくん…だか、たかしくん…
…どっちでもいいや。
羽落とすよー!」

そう言って羽を落とす。

「彩音さん、ゆっくり慎重に、
焦らず降りてきてください。」

…言われなくてもわかってるから。

むしろそういうこと言われる方が気が散る。
集中したいから、
黙っててくれないかな。

なんて思いながら、
私は余裕で木をおりた。
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