わがまま即興曲。
「ハロウィン限定かぼちゃプリン?
栗とサツマイモのタルト?
ああ!シフォンケーキも美味しそう!」


代演引き受けてくれたお礼もしたいし、
今日はたきのりの大好きな甘いものを奢ってあげよう。

そう思って夏休みに行った喫茶店にやって来た。
ここなら最悪あいつに呼び出されてもすぐに向かえるし…

て、だからそんなことあるわけないんだって!

…てか、こいつここ着くまでは絶対ショートケーキ食べるとか言ってなかったか?

「ねえ、さっき、ショートケーキって言ってたよね?」

とりあえず、つっこんでみる。


「心に決めていても、
新たな選択肢を与えられると、
そこでまた悩んでしまう。
それが女心なの。」

だめだ。
全然わかんねえ…


「意味わかんないから、
あ、自家製コーヒーゼリーひとつ。
ほら、たきのりは何にすんの?早く決める!」

いつまでたっても決まりそうにないから、とりあえず定員を呼んで、自分の注文を済ませて、たきのりを急かす。

「え、えとショートケーキひとつ。」

「結局、ショートケーキにするんかい!」

「王道は大事だよ?」


…もうつっこむのやめよう。
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