わがまま即興曲。
「この曲か!懐かしい。彩音が一番最初に伴奏弾いた曲だよね。」

この合唱部で弾いた思い出の曲。

「好きなんですよ。この曲。」

「いいんじゃない?これなら伴奏すぐできると思うから、明日の放課後合わせるんでいい?」

「はい!がんばります!」



何気に初めて人前で歌うソロである。

初めてだからこそ、たきのりと私をつないでくれたこの曲を歌いたい。

自分が必要とされてる喜びを初めて味わわせてくれたこの曲を歌うのだ。




「~♪~♪~♪」


休み時間にも空き教室で一人で練習する。


誰かに必要とされるってこんなに嬉しいことなのか。

たきのりと雪乃と出会ってからの日々はいつも楽しくて。

一人でいる時には知らなかった世界をたくさん知ることができて。



毎日楽しいって思えて−−−−−−−−−−−− 
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