わがまま即興曲。
「………ぅ…っ!?」


それは、いつだって唐突に私を絶望へ引きづり降ろす。


「はぁ…ハァハァ…」


物心ついた時からよく知る痛みを胸に感じて、
私は自分が発作を起こしたのだと、知覚した。


「グゥぅ………」


うまく呼吸ができない。


誰もいない空き教室。
こんなところで倒れたら、誰にも見つけてもらえないかもしれない…

どうしよう…


《彩音さん!》


先生…

助けて…

まだ、仲直りしてない。

まだ、死にたくない。



「ハァ……ハァ………っ!」



……そうだ。
鞄の中に薬を入れておいたはず。


「ぅぅ………」


這うようにして鞄までたどり着き、胸の痛みで震える手で薬を取り出し口に入れる。


この薬が効かなかったらどうしよう…



私、死ぬのかな…



…嫌、だな。



まだ…死にたく………ない!
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