わがまま即興曲。
「彩音はどうするか決めてる?」


…正直、全然考えてなかった。


「まだ決めてないな…たきのりは?」


「私はやっぱ歴史が好きだから文系かな…とか思ってたけど情報系の大学行ってみたい気持ちもあって…そうすると理系かな…」


たきのりのくせにすごいそれっぽい悩みで意外だ…


「大学…か…」


こういう話をしていると、自分が普通の女子高生みたいですごい楽しいし幸せな気分になる。


「彩音はどこ行きたいとかある?」


たきのりと雪乃と一緒に受験勉強して、
たとえ違う大学に行ってもずっと友達で…

だけど…私…


「私、大学行けるのかな?」


こんな身体のまま大学行ってどうするのかな?
大学は高校までと違って具合の悪い日でも保健室行けば出席したことになる世界ではない…
休みがちな私は卒業できる気がしないし…
そもそも卒業したあとどうなるんだろ


「うわ〜〜嫌味か〜彩音の成績ならどこでもいけるでしょ」


呆れ顔をしてこちらを見るたきのり。

そういうことじゃない。


「おう!悔しかったら成績追いついてみろ」


「これが成績上位者の余裕か…」


たきのりと話すと元気でるなぁ
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