わがまま即興曲。
「ちょ…彩音、 飛び散ってる飛び散ってる。」

たきのりが騒ぐ。
私は意外とストレス発散できて楽しい。

「たきのりはそっちの鍋見てて。」

隣でうるさいから、
さっきまで私が準備してた鍋を見ててもらうことにしたけど…

「なんで強火!?」

とまだ騒いでいる。
うるさいなあ…

「火にかけるって、 さっき部長が言ってたでしょ?」

聞いてなかったの?

「言ってたけど、 それは弱火でってことな。」

…………は?

「なに?その強火とか弱火とかって。」

聞いたことない。
って思っていると、

「………え?」

たきのりが驚いた顔をする。
ああ…もしかして、
普通は知っていることなのかもしれない。

「何?なんか文句あんの?」

「彩音ってさ、 もしかして、 料理、したことないの?」

なんか、バカにされてる気がする。
こうなったら、こっちも開き直りだ!

「あたりまえでしょ!
どこの世界に、 病弱な子に料理させる人間がいるわけ?」

どうだ!
大体の人は、これを言えば黙るぞ?

まあ…たきのりは黙らないと思うけどね?
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