わがまま即興曲。
「駄目です。許可できません。」

私の期待を裏切って、あっさり禁止された。


……駄目だ。
やっぱりただの真面目くんだった。


私が落胆していると、
何を勘違いしたのか、
真面目くんはまだ喋り続ける。

「可哀想だとは思いますが…彩音さんの体と病状を見るに…」

どうやら、球技大会に出られないことに私が落胆していると思ったらしい。

「ああもういいです!わかってます!
別に期待なんかしてませんでした!
大体、今さら、
私の病気のことなんて、説明してくれなくても結構です!」

聞きたくもないわ!

「でも…球技大会…」

不思議そうな顔をする、メガネ。

「本気で出ようなんて、考えてたわけないじゃん!
ちょっとあんたを試しただけ。
バカじゃないの?」

「え?ええ?」

メガネは混乱している。
北川先生を見るとすごく笑っていて、

「彩音ちゃんも谷中君も仲良くできそうで、
良かったー!」

と意味のわからない感想を言った。
< 6 / 288 >

この作品をシェア

pagetop