36.5度のキョリ



「あ、織川さん来た!」


「千春おはよう!」


「織川さん今日も可愛いね!」


「こら男子!朝から千春にちょっかいかけない!」




「ふふ、おはよう。今日も賑やかだね」




少し目を細めて、控えめに、上品に微笑めば。


天使の微笑みと名高い
「織川スマイル」の一丁上がり。



ほう…と動きを止めるクラスメイトの波を潜り抜け、自分の席へ。






そしてチラリと隣の席へ目を移す。



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