-YOU-【短】


「あっちは我慢してんのかね。
当然初めてなわけないだろうし。」


「もぉ凜ちゃ~ん。」


涙目になった私に
凜ちゃんはごめんごめん
って肩を叩く。


我慢かぁ‥。
やっぱしてるのかなぁ。


私は隣に居れるだけで
幸せだって思えるんだけどなぁ。


「まぁ!
そんな人それぞれだから
あんま気にしない方がいいよ!」


そっちから言ってきたのに
まったく凜ちゃんは人事みたいに。


あっというまに学校も
終わりみんなが帰っていく放課後。


私は1人教室に残っていた。


翔くん遅いなぁ‥。


今日決めるって約束したのに。


誰もいない教室は
時計の音だけが響いていた。


< 6 / 24 >

この作品をシェア

pagetop