-YOU-【短】
「あっちは我慢してんのかね。
当然初めてなわけないだろうし。」
「もぉ凜ちゃ~ん。」
涙目になった私に
凜ちゃんはごめんごめん
って肩を叩く。
我慢かぁ‥。
やっぱしてるのかなぁ。
私は隣に居れるだけで
幸せだって思えるんだけどなぁ。
「まぁ!
そんな人それぞれだから
あんま気にしない方がいいよ!」
そっちから言ってきたのに
まったく凜ちゃんは人事みたいに。
あっというまに学校も
終わりみんなが帰っていく放課後。
私は1人教室に残っていた。
翔くん遅いなぁ‥。
今日決めるって約束したのに。
誰もいない教室は
時計の音だけが響いていた。