わがまま王子と一緒に暮らそう。

「あのね、茉鈴。お父さんが転勤することになったの。」



「えぇぇ！」



しかし、私は次の言葉を聞いてさらに驚いた。



「お母さんはお父さんについていくから茉鈴は、お母さんの友達の由紀子さんの家に住ませてもらうか、アメリカに行くか選んでちょうだい。」



お母さんの友達の家に住むか転校する。



もちろんアメリカは海外だから愛耶や知菜、それ以外の友達とも全く会えなくなってしまう。



でも、だからと言ってお母さんの友達の家に住むのを選べばお母さんやお父さんに会えなくなってしまうし、知らない人と一緒に暮らすことになる。


「茉鈴、その答えは夜ご飯の時に教えてくれ。」



「うん、分かった。」



私はそう言って頷くと、2階にある私の部屋へと向かった。