私であって、私でない。

「あー、雨強くなってきたなぁ…。
遙、おまえ歩きだろ？
もう上がっていいぞ。」


バイト先のコンビニの店長が言った。


「…じゃあ、お先に失礼します。」


「おう！
気を付けて帰れよ。」


制服を脱ぎ、傘を持ってコンビニから出た。


俺の名前は山田遙、17歳、高校2年。


俺がコンビニから出るとコンビニの前に人が倒れていた。


最初は通りすぎる予定だった。


でも、俺はその場に立ち止まってしまった。


そいつの服装が


俺の高校の制服だったから。


そこには学校1可愛いと言われている早川玲が目をつぶり、倒れていた。


「は？
なんで早川が…？」


俺は騒ぎになると面倒なので、早川を背負い、家に帰った。


「…やだよ…。
い…かないで…。」


コイツが悲しそうに呟くたびに胸が苦しくなったのはきっと気のせいだ。