私であって、私でない。
「お待たせ!」


俺のスウェットはコイツには大きいらしい。


膝上の制服のスカートがギリギリ見えるくらい。


「…なんか早川ってもっと大きいイメージあったんだけど。」


そういうと早川はムッとした顔をした。


「…どうせちっちゃいもん…。


…山田くんは大きいね!
スウェットおっきいんだもん!」


ニコニコしていう早川。


「…バスで行くか。」


ちょうど来た駅へ行くバスに乗り込んだ。


車内は少し込み合っていて、俺たちはギリギリ座れた。


でも、次の停留所で、高齢者の方が1人乗り込んできたので、俺は席を立った。


すると早川も同じことを考えてたようで、二人同時に立ち上がっていた。


「山田くんは座ってていいよ?」


「…いや、おまえが座れよ。」


「「あ、どうぞ。」」


高齢者の方が来ると二人でハモってしまった。


すると、その方はクスクスと優しく笑って


「仲がいいねぇ。
ありがとう。」


と言って座った。


俺たちは顔を見合わせて


「くっくっ…。」


「ふふっ。」


笑った。










< 7 / 13 >

この作品をシェア

pagetop