【新】俺様社長の溺愛
「…ならば、北条の社長としてはどうだ?」

「・・・北条の社長として、ですか?」


オレの言葉に、会長が頷く。


「神村代議士と手を結べば、この先も安泰なんだよ、秀人」

「…確かに、会社にはメリットはあります。

…しかし、愛のない結婚をしても、神村代議士の娘さんを、

幸せにすることはできない。愛のない結婚は、オレには無理です。

大体、今の経営状態で、満足できないんですか?

この不況の中、北条は、黒字経営なんですよ?無理して、結婚する必要はない。

この先も、黒字を保つことは、十分可能です・・・」


…だから、オレは愛のない結婚などしない。

…オレは、心から愛してる愛海以外と、結婚するつもりはない。


「・・・愛海が、お前と別れると言ってもか?」


「…どういう意味ですか?」


・・・その言葉に、嫌な予感がした。

…今朝の出来事が思い出される。


「愛海は、私の大事な、目に入れてもいたくないほど、

可愛い娘だ…本当に愛してるよ、本当の娘のように」


「何が言いたいんですか?」


「愛海は、秀人と、兄妹で一生過ごす、そういう事だ」
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