【新】俺様社長の溺愛
「約束を守ってくださったんですね?

ありがとうございます。さぁ、こちらへどうぞ」

相変わらず物腰柔らかな笑顔の理人。

…これはまずい事になったな、と思いながら、

秀人の後を歩いていく。


…通されたところは、奥にある、2人だけのテーブルセット。

「いつもすみません、私みたいな者が、ビップ待遇してもらって」

秀人はそう言って謝る。


「何を言っているんですか?

人の目を気にせず、料理を楽しんでいただきたいので、

気になさらないでください・・・

では、私は厨房の方に行きますので、ごゆっくり」

理人はそう言って席を離れていく。


私はその後を小走りに追いかけた。

「あの、理人さん」

「・・・何か?」

私の呼びとめに、素直に応じた理人は、

振り返り、首を傾げた。


「あの・・・北条社長と、兄妹だと言う事は、

誰にも言わないでほしいんです…

例え奥様の歩さんにも・・・」
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