【新】俺様社長の溺愛
「冗談でこんな大事な話が出来ると思うのか？」

父は、真剣な表情で私に告げる。

母は、目に涙を溜め、私を見つめている。

・・・不安な気持ちのまま、兄の方に視線を向けた。


「秀人兄さん…」

「…血が繋がらなくても、今までと何も変わらない。

愛海は、オレの妹だよ」

そう言って私の手を握った秀人。


「何で今まで黙っていたの？

こんな事なら、もっと早く教えてもらいたかった」

そう言って私は泣き出した。

心にあるのは、ただ絶望だけ。

・・・私には、血縁と呼ぶべき人は誰もいないと、

泣いている私に告げる父。


「だから、これからも、私や母さんを親だと思ってほしい。

秀人だって、お前の兄さんだよ」

そう優しく諭した父。

私を不憫でたまらないと言った目で見つめた母は、

ギュッと抱きしめてくれた。
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