【新】俺様社長の溺愛
・・・私は、その場に倒れたまま、

まだ放心状態だった。

…今まで、何人か彼氏は出来た。

…キスだって、何度もした。

…それなのに、こんなキスは初めてで。

…こんなに想いの詰まったキスは初めてで。


胸がキュンとなった。


・・・愛海はオレのモノ。


その言葉が、何度も頭の中を駆け巡る。

それと同時に、秀人への気持ちが分からなくなった。


…私は、兄として秀人が好き。だったんだよね?

…私は、兄だと信じて、今まで慕ってきたんだよね?

…でも、なんでだろう?

胸の奥に、熱いモノがふつふつと湧きあがる…


ムクッと起き上がり、鏡の前に行く。

…胸元にくっきりつけられたキスマーク。

それを見ると、心臓が飛び跳ねそうなほどドキドキする。


…思い返すと、さっき見た秀人の顔は、

確かに『男』の顔だった。

その顔を見て、秀人が兄だと思えなかった。
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