【新】俺様社長の溺愛
一度打ち明けてしまった気持ちは、

もう留まる事を知らなかった。

・・・仕事をしてても。

…自宅にいても。

移動中の時も。

…いつも、どんな時も、愛海の事が頭から離れなかった。

「社長、どうかなさいましたか?」

「…いや、どうしてそんなことを聞く?」

社長室。怪訝な顔で秘書の西島を見上げた。

西島は困ったように笑ってこう告げた。


「いえ、最近の社長は、何かと上の空な事があります。

大事な会議や商談中は、そんな事がないので、流石は社長と

言うべきなのですが・・・

何かお困りの事でもあるんですか?

秘書をして、まだ数年ですが、こんな社長を見るのは初めてなので、

心配なんです」


…西島に言われて、初めて気が付いた。

そんなに考え事をしている事が多かったのかと。

そう思うと、なんだか可笑しくて、笑ってしまった。
< 37 / 202 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop