【新】俺様社長の溺愛
・・・パタン、ドアが静かにしまった音がした。

それと同時に、涙が溢れ出した。

・・・どうしよう。

秀人は、私の兄だ。

血が繋がらなくても、物心ついた時から、

ずっと私の兄だった人なのだ。

周りからも羨ましがられるほど、仲のいい兄妹。


…私は秀人が大好きだった。

兄として、申し分ない最高の人だった。

どんなことからも私を守ってくれた。

何があっても私の味方でいてくれた。

私を心から慈しんでくれた。


・・・その秀人が、私を一人の女として、愛していた。

昨晩抱かれてみて、それがよくわかった。


…それと同時に、秀人を、『兄』として、

見る事が出来なくなった。


…兄ではなく、一人の『男性』として、

見てしまう自分がいた。

それが分かったのは、今朝。

目が覚めた私の目に映った秀人。

その秀人が、男に見えるなんて。
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