【新】俺様社長の溺愛
「ちょっと、化粧室に行ってくるわね」

そう言って歩が席を外した。


私は窓側の席に座っていたので、外に目線を移すと、

窓ガラスに、理人が映った。

私はまたそちらに目線を向ける。


「どうかなさいましたか?歩さんなら、席を外してますが」

私の言葉に首を振って、私に指をさした。


「私に用、ですか」

「はい…歩がいると、言えないので。

返ってくる前に、手短に伝えますね」


「・・・・」

私はその言葉に小さく頷いて見せた。


「北条社長、最近よくこちらに顔を出してくれるんですが・・・

最近、全然元気がないんです・・・

今までそんなこと一度もなかったんですが、気になって。

前は、貴女の事もよく話してくれていたんですが、

今は全然…だから、愛海さんは?と聞いたら、社長の目が、

深海の海のように、暗く・・・悲しい目をしてました。

社長の元気の源は、貴女です・・・社長に、元気を与えてください。

すみません、ではこれで」

言うだけ言ってしまうと、理人はすぐに厨房の方に姿を消した。
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