【新】俺様社長の溺愛
「ありがとうございます・・・

何かあったら相談しますね?」

そう言って笑顔を見せた。

…まだ、この事を相談する勇気はなかった。

誰にも言えない事が苦痛だったけど、

歩が、どう思うかわからないから、相談は出来ない。


…食事が終わり、最寄駅で、別れた私たち。

私は重い足取りで、アパートに帰っていた。


…アパートを目前にして、私は足を止めた。

…なぜ、こんな所にいるのだろうか?

…なんだか、帰りずらい・・・。


私は踵を返し、アパートから離れようとした。


「綾瀬、どこ行くんだ?」

「・・・」

…運悪く、見つかってしまった。


私は振り返り、アパートにまた近づく。

「忘れ物に気が付いて、取りに帰ろうかな、なんて」

と、アリもしないウソをつく。

「悪いな、こんな所まで来て」

「・・・なんですか?」

私はその人を見上げた。
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